アパルトマンまでタクシーを走らせる

やっとのことで着き

ドアに手をやると鍵はかかっておらず

すんなりと扉は開いた・・・・・

女一人なのに不用心にも程がある


そっと中をのぞくと

バッドの真ん中で丸まって眠っているのだめがいた

近づき顔にかかっている髪の毛を指で落とす

涙の跡が残っている頬

泣きながら寝てしまったのか?

髪をなでる

「ん・・・ん」

と俺の手を払いのけ

そして微かにのだめの目が開く

寝ぼけているのか

「のだめ」

「・・・・!!!!」

のだめは飛び起き目を見開かせた

「せ・・・センパイなんで??」

「・・・・お前が心配で」

そう言い俺はのだめを抱きしめた

「え?どうして?

 センパイ、コンクルは?」

「明日だから・・・俺の出番」

「だからって・・・・大事な時なのに、なんでどうして?」

「お前が電話越しに泣くから」

「ナ・・泣いてませんよ!!」

「じゃこの涙の跡は?」

少しのだめの体を離し

涙の痕の残るほ頬をなでる

「えっと・・・プリゴロ太見て泣いたんデスよ」

「いいから・・・・・」

「センパイ?」

「俺が・・・お前がいなくてダメだったんだ。

 泣いてる声聴いて、じっとしてられなかった。

 一緒に帰ろう。」

「でも・・・」

「でも?」

「そんな事したら、のだめ先輩から離れられなくなりますよ・・・・」

そう涙ぐみながら話すのだめ

その姿を嬉しく思った

「大丈夫・・・・・俺がこっちに引っ越してくるから」

「え?」

「俺もどーも悔しいが、お前から離れられないみたいだ」

自分がこんな臭い台詞を言うなんて思ってもいなかった

けど

素直に言えた

俺にとっての大切な音楽の一部が

戻ってきたように思えた

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