あいつのことは

確かに心配だ

けど、今はそれよりも大事なことがある


あいつがいないから

1位とれなかった

なんて事にはならないように

俺は俺でしっかりやらなければ

そう思い総譜に向かうが

頭に入ってこない

音が頭の中に流れてこない

はぁ・・・・本当に重症だな・・・・・

少し鼻にかかった

泣いた声が音の代わりに頭の中に響く




「くっそ」

俺は財布と楽譜を取り

鞄へ詰め込み


駅へと向かった

明日は俺の出番はない

明後日の朝までに戻れば間に合う

これじゃ音楽に没頭したくても出来ない

俺にとってあいつは

大切な音の一つなんだ

あいつの呼吸するリズム

話し方

歩く音

寝息

俺を呼ぶ声

全てが俺の音楽一部のになりつつあるんだ



電車に飛び乗り

パリまでの時間

楽譜と向かい合う

少し気分が楽になった

いまこうして

あいつの元へと向かっている

それだけで

安心する自分がいる


あいつ・・・・

驚くかな?

泣いて喜ぶだろうか?

いや・・・・

きっと怒鳴られるだろう


『センパイなにやってんですか!!!

 こんな大事な時に!!

 のだめがいないとダメなんですか?!』


って









ちょっと癪ではあるが

この際仕方ない


認めてやるか・・・・・・









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