今年は絶対に騙されない

今日は4月1日

去年はのだめにまんまと騙されて

本当に腹立たしかった

だから今年は絶対騙されない


「おはようございます」

目をこすりながらキッチンにやってくるのだめ

「ふぉ、いい匂い。

 でもなんか気持ち悪い・・・・・」

「お前昨日飲みすぎたんじゃないのか?」

「えーそんなに飲んでませんよ・・・・

 ワイン1杯しか・・・・・

 う・・・・・・」

「お・・・おい!」

トイレへと駆け込むのだめ

そう言えば昨日も気持ち悪いからって言って

そんなに食べてなかったな・・・・・

「おい!大丈夫か??」

「ダメです・・・・・」

真っ青な顔をして出てくるのだめ

「病院行くか?」

「え?いいです寝てたら治ります。

 それより先輩時間!!!」

「ヤベ
 
 何かあったら電話しろよ」

「ハイ。  

 行ってらしゃい。」

そう言うとのだめは俺の頬にキスをした

行ってらしゃいのキスも

いつの間にか当たり前になっている

俺ってこんな人間だったか?


なんて朝の事を思い出し

ランチの時間に

のだめに電話をかけた


『アロー・・・・』

「のだめどうだ?」

『えーーーと・・・・

 とりあえず早く帰ってきてください。』

「あ・・・うん・・・わかった」

そう言い電話を切る

のだめの態度がおかしい


気になって打ち合わせを早めに切り上げ

家に戻ると

真っ青な顔をしてのだめが出迎える

「おい!大丈夫なのか??

 病院は?」

「行ってきました」

「胃腸炎か何かか?」

テーブルにつき向かい合わせに座る

首を振るのだめ

「ただの二日酔い?」

また首を振る

「じゃ、何だったんだ??」

「のだめ・・・・赤ちゃんができました」

その言葉を聞いた瞬間

頭が真っ白になる

え?

子供?

いや待てよ

今日は4月1日

またこいつ俺をだますつもりだな


「おまえいい加減にしろよ!

 去年のように俺は騙されないからな」

その言葉を聞き

のだめは席を立ちあがる

「もういいです・・・・」

そう言い静かにベッドルームへと消えた

え?

嘘じゃないのか?

「のだめ!!!」

そう言いあわててのだめを追いかける

シーツにくるまりベッドに寝ているのだめ

「のだめ」

静かに近寄りベッドに腰掛ける

「本当なのか?」

「・・・・・・・・ハイ」

「お前が去年離婚なんて言う嘘つくから

 てっきり今年もって思ったんだ

 ごめん」

「・・・・・・・・・・」

「のだめ?」

シーツから出した顔は

涙でぐちゃぐちゃだった

「順番は逆になってしまったけど

 俺と結婚してください」

「・・・・・・・・・仕方無いですね」


そう言いのだめはほほ笑み

俺に抱きついた

「本当はちゃんと嘘用意してたんですよ?」

「お前・・・・」

「けど、それも無理なぐらい気持ち悪いんデスよ」

「うん」

「ただ」

「ただ?」

「その嘘の為に、皆来てくれてたんです・・・」

「うん?」

「で・・・・・・嘘ではないんですけど、先輩がどんな顔するのか見たいって」

「はぁ???」

「千秋!おめでとう!!!」

そうの言葉と同時にクローゼットが開き

クラッカーが鳴る

そしていたのは

ターニャ・フランク・黒木君に

峰と清良と真澄

「おまえら!!!

 それになんで峰と清良と真澄まで!!!」

「あーそれは、バカンスも兼ねて大きなドっきりをしかけに・・・・・」

と笑いながら言う峰

「いやーーーそれにしてもめでたい!

 今日は宴会だな!親友!!」

そう言いはしゃぐ峰の横で

のだめはぐったりしていた

「大丈夫か?」

「ハイ。」

「とりあえず、母さん達にも言わなきゃな」

「そうですね・・・・でも、明日でいいんじゃないですか?

 今日はとりあえず、のだめはあんまり参加できませんが

 宴会という事で」

「そうだな・・・・・

 で・・・嘘じゃないよな?」

「ホントですよ!!」

そう言いのだめは優しく微笑んだ








 
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