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パリに戻ったのだめは

とりあえず妊娠証明の申告等を行うため

家に戻っていた


その間も
 
携帯には真一からの着信が

何度も何度もあった

けど

携帯を無視し続けていた


何を言われるか怖くて・・・・


ずっとあの電話の女性の声が

耳から離れない

シーツをかぶりベッドにうずくまる

本当なら今日は真一の公演の日であった

見に行くのをとても楽しみにしていたのに

涙が次から次へと溢れてくる

その涙に溺れながらのだめは眠りについた




目が覚めると

自分の手を誰かが握っていることに

気が付く

シーツから顔を出すと

真一が手を握り眠っていた


今頃本当ならNYで公演をしているはずなのに


そっとてを離そうとするが

のだめを逃がさないように

その手は固く繋がれていた

のだめの目から

また涙がこぼれ落ちる

「・・・どして・・・?」

それに気づき真一は目を覚ました

「・・・のだめ・・・」

「どしてココにいるんですか?」

「お前が心配だったから・・・」

「オケはどうしたんですか?」

「ジジーに代わってもらった」

「ミルヒーに・・・・・」

「たまにはいいだろ・・・?
 
 弟子の一大事なんだから」

「・・・・・・・・」

「のだめ・・・なんでいなくなった?」

「話したくないデス・・・・」

「俺お前に何かしたか?」

「のだめには何もしてません」

「じゃ何に怒ってんだ?」

「・・・・電話の女の人は誰ですか?」

「電話の女?」

「そうです!のだめが倒れた日に
 真一くんの電話に出た人・・・
やっぱいいです・・・・聞きたくありません」

とそっぽを向き立ち上がる

「なんなんだよ!」

「なんで・・・怒るんデスか?
 のだめは・・・・・」

うつむきながら涙する

「言いたいことあるなら言えよ!」

真一がきつくそう言うと

「のだめ・・・・赤ちゃんは一人で育てますから・・・・」

「お前何い」

「本気デス。」

と真っ直ぐに真一の目を見てのだめは言った



・・・・・6へ続く・・・・・
 
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