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イエローキャブがバッテリー公園で止まると

真一はのだめの手を引きながら下りた

何度車の中でのだめに弁解しても

のだめは

『もう無理デス・・・・』

としか言わなかった

のだめに自分のジャケットをかけ

ベンチに座らし

その前にしゃがむ

のだめの両手をとりながら

目を見て話すが

のだめはずっと泣いていた

泣かせない・・・

不安にさせないと

誓ったはずだったのに

真一の心の中では

その言葉がぐるぐると回っていた

そして携帯を取り出し

誰かに電話をかけ始めた

「あっ千秋です。」

(・・・・・・・)

「ちょっとのだめの体の調子がよくないので
 申し訳ないんですが今回も変わってもらえませんか?」

(・・・・・・)


「はい・・・わかりました
 ありがとうございます」


そう言うと電話を切り

のだめにゆっくりと話しだす

「のだめ・・・ごめん。
 きっと何度謝っても許してもらえないかもしれない。
 俺はサラの事、大事な共演者だと思ってただけだ。」

「・・・・・・・・」

「俺、仕事が大事だけど、今はそれ以上にお前と・・・・恵と・・・・・
 俺たちの子供の方が大事だから・・・・
 お前が落ち着くまで仕事少し休もうと思う。」

「・・・・・・・・」

「しばらく苦しい生活になるかも知れないし、今後仕事が減るかもしれないけど
 それでも、俺は今お前と一緒にいなきゃいけないんだと思う。」

「そんなのしてもらわなくてもいいです・・」

やっと重い口をのだめは開いた

「のだめ・・・」

「だってもう、のだめ・・・
 真一くんの事信じれないですよ・・・
 今真一くんに何言われても・・・・」

「わかってる・・・
 それでもいいんだ。
 俺がお前を傷つけたんだから・・・」

そう言うと真一はのだめを強く抱きしめ
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