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NYにつき

JFKからマンハッタンへと向かう

ここまできたのはいいが

のだめは不安で仕方なかった

もし

真一のそばに自分以外の女性がいたらどうしよう


そう電話の女がいたら・・・・

5th Ave近くのヒルトンに着くと

ロビーから真一に電話をかけた

電話はすぐに留守電に変わった

「もしもし?真一くんのだめデス。
 お仕事終わったら電話ください」

そう留守電にメッセージを残すと

荷物をクロークに預けて

のだめは外に出てモマの方へと歩き出す

夕暮れが近づき

風が少し冷たくなってきた

辺りをきょろきょろしながら

地図を見ていると

反対側に真一の姿が見えた

「真一く・・・・」

と声を上げたところで

真一の横で

真一の袖をつかみながら

楽しげに話し微笑む女性がいた

きれいなブロンドに

少し高いヒール

そして黒のワンピースを着た

きれいな女性だった

それを見た瞬間

頭が真っ白になり

いつの間にかのだめは

真一の目の前に立っていた

「どゆ事デスか?」

「のだめ!
 お前なんでここに!!」

「そんな事どうだっていいんです!
 のだめは、この人の事聞いてるんです!!」

ビックリしながらも真一は

のだめの殺気から

彼女をかばいながら言った



「この人は次の公演のソリストのサラ・スコット、ただ一緒に遅いランチをしながら打ち合わせしてただけだ。」


「じゃ、なんで真一くんの袖を持つ必要があるんですか?
 真一くんのだめを不安にさせないようにするって言いましたよね?」

「あぁ・・・」

「真一の奥さん?」

とその言葉に割って入るように

真一の後ろからヒョコッと顔を出し

サラはフランス語で話しだした

「はじめまして
 サラです。
 真一と共演するのはこれで2度目なのよ。」

そう話すサラの声にのだめは

あの時の電話の主だと思った

「・・・あなた真一くんの電話に出た・・・」

「そーよ。
 真一の電話に出たのはあたしよ」

「サラお前だったのか?」

「そーよ。
 私真一の事好きなの。
 奥さんがいようが関係ないって思ってるわ。
 せっかくあなたがいないからその間に真一とって思ってたのになぁ」

と笑いながらのだめに話す。

もうのだめは何も考えることができなくなっていた

そして

「もういいデス・・・
 真一くんさよなら・・・」

と大粒の涙を流しながら真一に

指を突っ返した

「まてよ」

と慌ててのだめの腕をつかみ

「サラおまえはもう帰れ。
 それとお前がどんなに思ってくれても
 俺はお前の事共演者としか思ってないから」

と言うと止まっていたイエローキャブにのだめを乗せ
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