恵ちゃんの涙の跡

それが引っ掛かってたまらない

あきらかに様子がおかしかった

悲しいお話が原因じゃないことはすぐに分かった

きっと千秋くんのことだ



千秋くんに僕と付き合うって言うこと言ったのかな?


けど


それで恵ちゃんが泣く理由って・・・・。


そんな事をぼーーと考えながら

コーヒーを飲む

「あつ・・・・」

ヒリとする唇をさわる

何やってんだ?

自信を持て!!

恵ちゃんは僕と付き合うと言ってくれた・・・・・


けど

自信を持たないととは思うけれど

もしも千秋くんが恵ちゃんを好きなら

僕には勝ち目はない・・・・・・・


「千秋くんを好きな恵ちゃんを受け入れる」


かっこいい事言ってはみたものの

そんなに僕自身大人じゃない

「はぁーーーーー」

大きなため息だけがこぼれ落ちる

「あれ?黒木君?」

後ろから今一番聞きたくない声がする

「千秋くん」

動揺は隠しきれず声が裏返る

もうすぐ恵ちゃんが来るのになんでこんな時に・・・・

「どうしたの?こんなところで・・・・」

「いや・・・あの・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・」

どもる僕を

不思議そうに見つめる千秋くん


ここははっきり言わなくてはと思い

小さく深呼吸をして



「恵ちゃんと待ち合わせしてるんだ!」

そう言いキッと千秋くんを見る

そこには

明らかにいつもと雰囲気の違う千秋くんがいた

「あぁのだめと・・・・」

いつもより声が低い・・・・・

「そうなんだ、今日は二人でデートしよって」

「ふーーん・・・でどこ行くの?」

「とりあえずご飯でも食べようかと思って」

「ふーん。

 あいつの好きな店教えようか?」

「いや・・・大丈夫。ブラブラしながら決めるから。」

「そっか。

 ここで待ち合わせなの?」

「家に迎えに行ったんだけど、恵ちゃん寝坊したみたいで・・・・」

「あぁ夕べ遅くまで俺の部屋にいたからな・・・・・・

 部屋帰ったの朝方だったし。」

「え???」

「ん?」

「イヤ何でもない」

「じゃ俺いくわ!

 のだめに早く行くように伝えておくから」


そう言うと少し勝ち誇ったような顔で千秋くんは去って行った







あの腫れた目の原因は千秋君だ


恵ちゃんに何があったか聞きたい


けど聞いてしまったら

きっと終わってしまう

恵ちゃんの心は僕じゃなく千秋くんにあるのだから・・・・・・

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