黒木君に連れ出されて

街を歩く

いつもと違う彼に戸惑いが隠せない


いつもは優しいのに

あんな黒木君は初めて見た


そして自分のしていることが

嫌になる・・・・・・・・・・


ちゃんと黒木君に話したい

そう思う気持ちでいっぱいだった


しばらくすると急に黒木君は立ち止った


振り向きもせず

ただじっとその場にたたずむ


「黒木くん?

 どうしたんデスか?」


そう言うとのだめは黒木君に抱き締められていた


「ごめん・・・・・・」


「どうして黒木君があやまるんデスか?」


抱きしめられる力が強くなる

「本当は千秋くんのこと気になって仕方ないんだ・・・・

 千秋くんを好きな恵ちゃんごと受け止めるって言ったけどそんなこと出来ない・・・・

 僕だけを見てほしいんだ・・・・・・・・・・・・・」


「黒木君・・・・・・・・・・

 そうデスよね・・・・・・」

のだめだって

先輩にのだめだけを見てほしい

同じように黒木君だって

やっぱりちゃんと話した方がいいデスよね。

先輩の事がやっぱり好きだって

「黒木君・・・

 のだめはせ・・・・」

「言わないで分かってるから・・・

 けどまだ別れたくないんだ。

 ひとの気持ちは変わるし、一緒にいれば恵ちゃんは

 ・・・・僕のこと好きになるかもしれない。
 
 たとえその可能性が1%でも賭けてみたいんだ」


そう震えた声で言う黒木君を

愛おしいと感じてしまった・・・・・・




「でも・・それだと黒木君が辛いだけデスよ・・・?

 のだめは黒木君が思うような女の子じゃナイと思いマスよ?」


「そんなことないよ・・・・

 恵ちゃんは、とってもかわいいよ。」

そう言うと黒木君は私の髪をなで

そしてキスをした・・・・・

唇は少し震えていて緊張しているのが伝わるようだった

『キスとか絶対するな』


頭の中で先輩の声がこだまする・・・・・・

けど・・・・・・

突き放すことができなかった



唇が離れると

俯き小さく

「・・・・ごめん・・・・」

と黒木君はつぶやいた

その声が弱弱しくて

切なくて・・・・・・いつの間にかのだめが黒木君を抱きしめていた


「・・・・黒木君・・・・

 おいしいものでも食べて帰りましょ?

 のだめお腹すきまシタ」

「うん。」

その言葉にクスっと笑いながら黒木君は顔をあげ

「恵ちゃんには本当に救われるよ・・・・」

そう言った





近くのカフェにつき

注文をし席を離れ先輩にメールをした



『先輩ごめんなさい!

 今晩は黒木君とご飯食べて帰りマス。

 でも、絶対に先輩のところへ行きマスから待っててください

 先輩・・・大好きデス』




このメールにウソはないけど・・・・・


先輩ごめんなさい・・・・・・・・・・・・・


のだめ


黒木君も愛おしいです・・・・・・・・・



そしてキスしちゃいまシタ



メールで打てない文章を心の奥にしまい


きっと

このわずかな時間でさえも

やきもきしているであろう黒木君の側へ急いだ















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