車がついた場所は
パリ郊外の古城


「ほわぁ・・・・
 château・・・・」

車を降りると先輩はのだめの手を取り

城の中へと向かった


とある1室に入ると
そこには

真っ白なドレスと
長いベール
そしてブーケが用意されていた


「では、よろしくお願いします」

と言い
目をまん丸くさせ驚いているのだめをたくし

部屋を出て行った

のだめは女性二人に連れられ

バスローブに着替えさせられ

ヘアメイクが行われ

ドレスに着替えさせられ

あっという間に花嫁が完成


鏡に映された自分の姿に
ビックリするとともに笑顔がこぼれる


Aラインのオフホワイトのドレスは
のだめにピッタリのサイズで

ブーケとおそろいの花で飾られた髪には
腰までの長さのベールもつけられた







トントンとノックがされ
扉が開く

そこには

タキシード姿の先輩がいた


「ふおお
 先輩!カコイイ」

その言葉に顔を真っ赤にさせながら
のだめのところまで歩み寄る

まだあまり理解できていないのだめは

「 あの、これは今から何が・・・・?」

と先輩に訪ねた

すると

「結婚式!
 お前と俺様の」

と少し照れた表情で答える


「あのでも、のだめはそんなコト聞いてませんし
 またまた先輩、のだめをからかってるんじゃないんですか?」

結婚は先輩の仕事がひと段落してから
と思っていた
それに婚約指輪をもらってから2週間しかたっていない

なのに結婚式と言われても実感がわかない

ましてや
結婚指輪もまだ店に受け取りに行ってない




「結婚指輪を買ったときに
 あそこで相談したんだ
 すぐに式を挙げれるところがないか
 そしたらココを紹介してくれて。
 で、すぐに予約した。
 指輪もお前を迎えに行く前に無理を言って取りに行ってきた。
 離れる前に式挙げておきたかったから。
 ドレスとこのタキシードはヨウコが持ってきてくれた」


とのだめの手を取り
今まで見たことのないような優しい表情で答えた


「え!持ってきたってヨーコ来てるんデスか?」

ヨーコは
あのリサイタルの前から
のだめと先輩の婚礼衣裳を作り始めていた
のだめの結納と言う言葉を信じきって



「ああ、航空券送って至急来てもらった
辰男も弟にも
 うちの母さんやおじさんや俊彦、由衣子・・・・それに」


「それに?」 


「それに、アパートの連中に黒木君。 
 どこで情報誌入れたのか峰や真澄まできてるぞ」

「ほぇ・・・・・」



「分かったか?
 ほら、辰男が待ってるからいくぞ」

「ハ・・・ハイ」

先輩はのだめの手を取り
時計を気にしながら
控室を後にした



・・・・・6へ続・・・・・・
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