先輩の家を出て

あてもないまま飛行機に乗り

そして着いたのは

先輩と暮らしたパリ

土地勘もある

先輩は来月から

ウィーンに移ることになっている

ターニャは黒木君のいる

ドイツへと行っている

フランクは実家に帰ってこの街にいない

アンナと長田に会わなければ先輩に

ココにいる事を知られることもない


それに

アンナや長田はきっと

黙っていてくれるはず

もしもばれても

だからという事で決めた場所

しばらくの間は

オクレール先生の家で居候する事になった

先生の勧めで

レストランなどでピアノを弾いたり

先生の助手をしながら

とりあえずの生計を立てることになった

もうだれかに逃げることなく

暮らしていく

次先輩と会えた時の事を考えて

胸を張って

『のだめには先輩だけです』

って言えるように

きっと繋げてくれるはず

音楽の神様が


のだめと先輩を


そう信じて



何事もなかったように過ぎていく毎日



全然気づいていなかった


自分の体の異変に

1日1日を過ごしていくのに

必死だったから




異変に気づいたのはオクレール先生だった

「メグミどうしたの?

 最近食欲ないけど?」

「え?そうですか?」

「うん。いつもなら倍以上食べてるのに」

「あーー。疲れてるんですかね?」

「そうなの?」

「はい」

「ならいいんだけど」



そんな会話をした

3日後

全く食べ物を受け付けなくなる

匂いだけで吐き気がする


「メグミ明日必ず病院に行きなさいよ。」

「スミマセン。」



そして翌日

「おめでとう。妊娠してますね。」


そう言われ

頭の中は真っ白だった


思い当たることはたくさんある


なんで気付かなかったのだろう?


4か月・・・・・・


そう告げられた


あと6ヶ月後には生まれてくるんだ


それも双子なんて・・・・・・

オクレール先生になんて言おう

日本に返されるかもしれない

こっちに残るにしても

出産して

生活するなんて出来るのだろうか?


不安で不安で仕方なかった







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