「久し振り」

「今日からよろしくお願いします!」

「練習してきたか?」

「う・・・・・のだめ・・・ちょっと体調悪くって・・・」

「してないんだな」

「ハイ」

「まったく・・・・・

 とりあえず弾いてみろよ」

「ハイ」

そう笑顔でピアノの前に座るのだめ

でも明らかに目は笑ってない

何も知らないふりってどうしたらいいんだ

あきらかに痩せて

目の笑ってないこいつを見て

何もする事も聞くこともできないなんて

まるで拷問のようだ


響き渡るのだめが奏でる音色は

あいつの感情が乗ってしまているのか

悲しく部屋中に響き渡る

「どうでしたか?」

「・・・・・・・・・」

「先輩?」

「お前何があった?」

「え?

 ・・・・・・・何もないですよ?」

「じゃ、何で目をそらす!」

「反らしてなんかいませんヨ!!」

「俺はお前の苦しみぐらい背負ってやる

 あのとき、出来なかった分お前の苦しみぐらい

 全部・・・・・・・・・・・・」

「先輩には、出来ませんよ?」

「なんで・・・・」

「先輩にはわからないからですよ。

 何がわかるんですか?

 のだめの苦しみの?

 何を背負うんですか?」

「・・・・・・・・・・・・・・」

知っているけど言えない

のだめが今苦しんでること

その理由は

俺が知っていると知ったら

こいつはもっと苦しむことになる

「お前が何に苦しんでいるのかはわからないけど

 その苦しみを含めてお前を守るから」

そういい椅子に座るのだめを

背後から抱きしめる

「やめてください」

そういい俺を払い

立ち上がったのだめを

また自分の胸元で抱きしめる

「強がらなくていい・・・・・

 何があったかも聞かない

 けど、俺はお前を離さないから

 たとえ誰を敵に回しても

 誰に辞めておけと言われても」


これが俺の答えだ

俺の知らない過去のこいつに何があったとしても

全てを受け入れこいつを守っていく

もう本当に失うのはごめんだ







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