抱きしめたぬくもりの向こうに


彼の姿が見えた

幻か?とも思ったが



間違いなくそこにいたのは

彼だった


それを知って

俺は恵の頬に手を伸ばし

唇を近付ける

彼に見せつけるかのように


恵が選んだのは

俺なんだと


だからもう

これ以上恵の側に来ないでくれ

きっと恵は

ただ俺がいなくなるのを恐れているだけ

一時期の感情で

俺に対して

「好き」だって言ったんだ

この好きだって

LOVEではなくLIKEなんだ

だから

お願いだ

もうここからいなくなってくれ


そう思いながら

唇を離し眼を開けると

彼の姿はなくなっていた



これで解放される・・・・・

思わずそう思った


彼の姿におびえることなく

恵と二人暮らしていけると

情でもいい

恵が一緒にいてくれるなら

俺はそれがそれで一番幸せなんだ



恵と見つめ合う

「本当にいいのか?」

頷く恵を見てもう一度唇が近づく

その瞬間んの

一瞬の恵の顔


その顔は

諦めの入った顔だった


彼をあきらめなきゃいけないという

覚悟を決めた・・・・・・・・・

別にそれでいい

これからも側にいて

俺に少しづつ支配されていくのであれば



いつかこの気持ちからも解放されるはずだから




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