恵は覚えていないんだ

僕たちの出会いを




もう何年も前・・・・・・

俺の親と恵のお義理父は友人で

何回か親に連れられてきた

野田の家


人見知りの俺に優しく笑いかけ

いつもピアノを聞かせてくれた

何回か会ううちに

俺は恵の事を好きになっていたんだ


いわゆる『初恋』だった


けどだんだん

俺ものだの家に行かなくなり

久しぶりに野田家に行ったとき


もう恵はいなかった

「恵ちゃんは今も東京で頑張ってるのか?」

「恵は今彼氏とフランスに留学しとっとよ」

親同士の会話を聞き

俺はショックを受けていた

そりゃもう何年も会ってないし

俺のこと自体覚えていないかもしれない

そんな彼女に会えることを少し楽しみにしていたし

あわよくば・・・・・なんて考えていた

彼女もいたけど

ずっと気になっていたから


それから数年

ずっと気になりつつも

何も言えないまま

何も伝えられないまま

初恋は終わるものだと思っていた

その時いた彼女と結婚でもしてしまおうとも思っていた


そんなとき

「お前お見合いしないか?」

そう父に言われた

「は?」

「お見合いって言っても、お前も知っている子なんだけどな

 覚えてるか?野田さん家の恵ちゃん?」

「あぁ」

まさかあのとき

恵の名前が出るとは思っていなかった

「・・・別にいいよ」


そうそっけなくは言ったが

数年ぶりに彼女に会うのが楽しみで仕方無かった









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