「どうして、ここにいたんですか??」

落ち着き聞いてみる

「ん?なんとなく

 恵はどうして帰ってきたんだ?」

「・・・・・・・・・・・・」

「言いたくなければ言わなくていいよ。」

そう言うと何も言わずただ2人で

ボーーっと海を眺めていた

「そろそろ帰るか?」

頷くとわたしの手を取り歩き出す


その間もずっとポケットの中で

震え続ける携帯


先輩だ・・・・・・・・・

だから出れない

今は

分かっているから


家につき二人の部屋に入る頃には

辺りは少しずつ明るくなっていた

「恵ちょっとでもいいから寝ろよ。」

そう言い智くんは先にベッドに入った

部屋着に着替え

ベッドに腰掛ける

寝息をたてはじめた智くんの髪をなで



そして携帯を見ると


先輩からの着信でいっぱいだった

メールも

けど

智くんの寝顔を見ながら思った

もうやっぱり

先輩と連絡してはいけないって

もう会っては



別々の道を歩き出してしまったから

もうきっと元には戻れない


我儘になることすら

もう許されないんだ



先輩の番号を着信拒否にし

メールアドレスも受信拒否にする


これが一番いいんだ



同じ幸せを夢見ていた頃に

もう戻ることはできないんだ


記憶の中でしか


あのとき

もう

道は別れてしまったんだから




どんなに私や先輩が思っても

もう無理なんだ



携帯を置き

智くんの寝るベッドに入る

背中にくっつき

彼の心音を聞きながら

私は深い眠りについた




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