もうあれから

何年もたっているのに

夢に見る


そして必ず泣いて目が覚める



いつまでも残るセンパイの顔は

最後の悲しそうな顔

たくさんの笑顔見てきたはずなのに

それだけが鮮明に残っている

私は大川に戻り

何もなかったように暮らしている


戻ってきた時も

誰も何も言わなかった


センパイの事も・・・・・・


何もかも知っているように

その事に触れないように









「恵!生徒さん来とるよ」

「ハーイ!」



ピアノは相変わらず続けている

先生として

楽しく毎日を過ごしている

けどふと思い出す

センパイの顔

皆の事

何もかも断ち切ってしまったから

センパイの事も何も耳にはいてこない

由衣子ちゃんからは

今も頻繁に手紙が届くけど

それも封を開けずに

そのまま全部しまってある

知ろうと思えば知れるけど

知ってしまうと

それ以上の気持ちがあふれてしまうから


今も変わらず

あの時の気持ちのまま

センパイの事が好きだから


けど

離れなきゃ私だけでなく

センパイまでもきっとダメになってしまっていた



きっとあの時から

そう・・・・・ミルヒーと共演して

私が一度離れてしまったときから

こうなることになっていたんだと思う



「のだめ先生?どうしたと??」

「何もしよらんとよ!

 じゃ、次はこれ練習してきてね」


「はーい」


ピアノの先生になって

子供たちと一緒に過ごす

幼稚園の先生ではないけど

ある意味夢は叶った

ただ千秋真一がいないだけ



そう・・・・・

それだけ


自分の思い描いていた未来とは違うけど

私は幸せなんだ




そう幸せなんだ
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