振り向いた先輩の唇がそっと近づく

それを避ける

「どうして?」

「のだめセンパイの事好きです

 それは嘘じゃないです。

 けど・・・・やっぱり・・・今はごめんなさい」

「旦那のこと?」

「・・・・・・ハイ。

 智くんは・・・・・・のだめの気持ちも全部知って上で結婚して

 もし先輩がのだめのところに来たら、行ってもいいよって言ってくれてます。

 けどそのたびに、悲しそうな顔して・・・・・・・」

「・・・・・・・・・」

「だから・・・・・・・ちょっと時間をください。

 のだめちゃんとしますから、今の状況じゃきっとダメなんです・・・

 うまく言えませんが・・・そんな気がするんです。」

「うん・・・。たまにはお前もまともなこと言うんだな?」

「ムキャ!なんですかそれ!のだめはいつも真面目ですよ!!」

「おれは、今回ばかりは普通じゃなかったかもな・・・・」

「そうですよね・・・ターニャ達が来る前に言った言葉も

 さっきの事も先輩じゃないみたいでした。

 ミルヒーの修業の成果でしょうか?」

「はぁ???」

「だってそうでしょ?」

そう言い目を合わせ笑う

「ジジイの女好きがここにきて役に立ったってことか?」

「はい、ミルヒーのおかげですよ。

 やっとちょっとは、女心わかったみたいですね。」

そう言うと先輩は私を抱きしめた

「とりあえず、今日は何もしないけど・・・・・

 ここにいれるよな?」

「ハイ・・・・・。久々に先輩のピロートーク聞かせてください」

「またかよ・・・・・」

「もう何年も聞いていませんよ?」

「ハイハイ・・・・」

「じゃのだめお風呂入ってきますね」

そう言いバスルームへと足を運ぶ


ドアを閉めると

私の手は小さく震えていた



先輩の事は好きだけど

また同じことの繰り返しをしそうで怖かった


それと

帰った後智くんはどんな表情で私を待ってるのか



私はあんなにいい人を傷つけてしまうのではないか?


それが怖くて怖くて仕方無かった


私の

淋しさや

嫉妬や

悲しみ

笑顔

全てを受け入れてくれた人

本当に先輩を選ぶことが正解なのかがわからない



『恋愛と結婚は別物じゃない?』


智くんとの結婚を決めたとき

ターニャが言った言葉が頭をよぎる











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