包まれた腕の温度は

あのころと変わらないのに

気持は重くなっていく

もう諦めないといけない人

その人の腕に包まれて

私は身動きをとれないでいた

先輩の体が私から離れ

腕をつかまれ近くに止まっていた車に乗せられる

何も言わずに走りだした車は

福岡市内のホテルへとたどり着いた

「センパイ・・・」

そう言う私の言葉は届かず

手をひかれエレベーターに乗り込み

そして部屋へと入れられる

と同時に

センパイにキスをされた

必死に抵抗するが

到底かなわない力

そしてそのまま抱きかかえられ

ベッドへと流れ込む

「何勝手に結婚してるんだよ」

そう言う先輩のまっすぐな目から目をそらす

「のだめ達別れたんですし、関係ないじゃないですか?」

「俺の中では全然終わってないんだよ」

「・・・・・・・・・・・・・」

「俺は絶対認めないから」

そう言いまたキスをする

唇が離れたとき

思わず本音が出てしまった

「じゃ・・・どうしてもっと早く迎えに来てくれなかったんデスか?」

「え?」

「のだめ・・・本当は待ってたんですよ先輩が来てくれるんじゃないかって

 なのに今さら現われて・・・・終わってないなんて・・・・」

「それは・・・・」

「のだめはもう結婚して・・・・・・智くんが旦那さまなんデス・・・

 もう遅いんデスよ・・・・」

「遅いとか言うな。

 今からでも・・・・・・」

そう言い唇が重なる

私にはもう抵抗すら出来なかった

だって

本当に求めていた人が目の前にいるから

「あいつの事・・・・本当に好きなのか?」

そう聞いてくる先輩の言葉に答えられず

俯くと

「もういい・・・・。

 お前があいつの事たとえ好きでも

 俺、今度はお前の事手放す気はないから」

その言葉が嬉しかった

素直に・・・・・・・・・・・・
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