♪プリリンごろた プリごろた
携帯が鳴る
「ハイ」
「もう帰りマスよ」
「はい・・・はい
あー家の近くの土手デス・・・・
大丈夫デスよ・・・」
そう言い電話を切る
いつの間にか周りは闇に包まれていた
どれぐらいの時間がたっていたのだろう
「はぁ」
大きくため息をつく
その瞬間私は大きな腕に包まれていた
「・・・・・・・・・・・・・・」
「やっと見つけた」
そう言った言葉の主
忘れるわけない
声
温度
匂い
「センパイ・・・・・・」
「うん。」
「ど・・・して・・・?」
「ここに来れば会えるような気がして・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「恵?」
その声に私は我に返り
センパイの腕をほどき
声の主の元へ走り寄る
「え?」
「ち・・・千秋先輩。
のだめのだんな様デス・・・・・
のだめ、1年前結婚したんデス。
のだめのお家にお婿にきてくれたんデスよ?
智クンデス。
智クン、こちらのだめがフランス留学していたときとかにお世話になった
千秋真一さんです。」
「はじめまして・・・・・
恵からお話はお伺いしています」
そう智クンが差し出した手と握手をする
センパイの顔を私は見れなかった
「あの・・・これからのだめ・・・いや恵さんをお借りしてもいいですか?_
懐かしい仲間も集まってるので」
「えぇもちろんです。」
「ありがとうございます」
戸惑う私を無視して話は進み
「じゃ恵をお願いします」
そう言い智くんは後ろを振り向き歩き出す
私は声を出せないまま
金縛りにあったかのように立ち尽くしていた
遠ざかっていく背中が小さくなる
「お前・・・・あいつの事好きで結婚したのか?」
そう呟くセンパイの声が胸に刺さる
私が好きなのは今でもセンパイ
それは変わらない
ひどいことだと思う
優しい智クンの横で
ずっと智君以外の人
センパイの事を見ていたのだから
「あ・・・あたりまえじゃないデスか・・・・」
「俺の目を見て言えるか??」
「・・・・・・・・・・・・・」
「言えないのか?」
「なんで?なんでそんな事センパイに言わないといけないんデスか?」
「なんでって・・・・」
「お見合い結婚ですけど・・・・のだめ幸せデスよ??」
「嘘だな・・・・」
「どして?どしてそんな事言うんですか??」
そう言いセンパイの方を振り向いた私は
センパイの腕に包まれていた
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