しぶる真一くんを

どうにか言い聞かせて

部屋から出て行ってもらった


玄関のドアを閉めると

張りつめた空気が流れる

「彩子さん、お久しぶりデス。

 元気でしたか?」


「あなたこの状況分かっていて言ってるの?

 私がここに来た理由わかるわよね?」

「ハイ・・・・・・・・・

 でも、のだめか彩子さんか決めるのは真一君デスから」

「あなたね!

 子供がいるってわかったら責任取ろうって思うのが普通でしょ?

 あなたのことが好きでとかじゃないと思うけど」

「そうかもしれません・・・・・・・・

 けど、真一くんはのだめといるって言ってくれました

 本心はわかりませんけど」

「私は昨日真一にプロポーズされてるの

 結婚しようって

 なのに、あなたに真一との子供がいるのがわかったとたん

 なかったことにしてくれなんて、『はい、わかりました』って言えると思う?」

「言えないデス・・・・・・・・

 けど、のだめだってそうだったんデスよ!

 真一くんから指輪ももらっていて、式の日にちとか決めようと思っていたところだったんデスよ?」

「そんなの・・・・・

 あなたが私から真一を奪ったから

 だから・・・・・・・・・・」

「彩子さん?」

「とりあえず私は真一と別れるつもりないですから。

 何のためにここまで・・・・・・・・

 絶対渡さないから!」


そう言い出て言った彩子さんの目からは

涙が流れていた



私と真一くんが出会ったころ

もう彩子さんとは別れていたって真一くんは言っていた


なのに

私が彩子さんから

真一くんを奪った?




でも

彩子さんにしてみたら

そうなのかもしれない

私が真一くんと出会ったことによって

何かが変わってしまったのかもしれない

私がいたから・・・・・・・・・


そしてまた今

私と美音が出てきたことによって

彩子さんを苦しめてる・・・・・・

どうして?

のだめはただ

真一くんと一緒にいたいだけなのに


涙があふれてくる

私はいない方がよかったの?

真一くんからやっぱり離れた方がいいの?

そうしたら

全てがうまく行くの?





そう自分を追いつめていた




スポンサードリンク


この広告は一定期間更新がない場合に表示されます。
コンテンツの更新が行われると非表示に戻ります。
また、プレミアムユーザーになると常に非表示になります。