9月17日


前日から腰が痛くて仕方無かった

予定日はとっくに過ぎていたけど

まだまだだって病院の先生に言われていたから

油断をしていた

その日は雅之パパのコンサートがあって

征子ママと二人で出掛けていた


コンサートが始まりしばらくすると

腰の痛みがひどくなってきた

「のだめちゃん?」

「ゴメンナサイ。大丈夫です・・・・」

そう言いながら耐えたが

ますます痛みがひどくなっていく

冷汗が流れる

「のだめちゃん・・・もしかして」

「ハイ・・・そうかもしれません」

そう言うと征子ママは警備の人を呼んできて

私はそのまま病院へ運ばれた


病院につきわずか1時間半後


元気な女の子が生まれた


真一くんと同じ真っ黒な髪

まだ顔は生まれてすぐで

ガッツ石松だけど

どとこなく

真一くんに似ているような気がした


コンサートを終えた雅之パパも来てくれて

初孫に対面

真一くんに聞いていた

イメージとは全く違う人になっていた

征子ママもびっくりするぐらいに

デレデレの顔で抱っこをしていた


名前は私と征子ママそして雅之パパの3人で決めた


美しい音でミオン


雅之パパの美しいピアノの音に誘われて

生まれてきたのと

いつまでも美しい音の元過ごせますように

そして真一くんの奏でる

美しい音楽に出会えますように

そんな願いを込めてつけた名前


本当ならここに真一くんがいてくれたら

一番いいのだろうと思う

けどその願いは叶わない


小さな体を私の腕の中で動かす

この子に何の罪もないのに

あなたは私のせいでパパに会う事が出来ない


「ゴメンナサイ・・・・」


ぎゅっと美音を抱きしめそう呟いた








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