「コウくんどうしましょう?」


「そりゃ全部話すしかないだろう?」


「でも・・・・今さら・・・・」

「今さらじゃないだろ?

 二人の問題なんだきちんと話さないと

 神様がくれたチャンスなんだよ?」



そう言い背中を押されて出てきた


ため息がこぼれる

どう話していいか昨日一晩考えた

でも答えは出てこない

けど答えは一つしかない

だってこれが現実で事実なんだから


夕暮れ時のバッテリーパーク

少し遠めに見える自由の女神

それを眺めながら

気持ちを落ち着かせる



「のだめ」

その声に振り向く

「待ったか?」

その言葉に首を横に振る

「とりあえずどこか店にはいろ」

そう言い近くにあるファーストフード店に

私たちは入った


飲み物を頼み

2階の一番端の席に座る

「元気にしてたのか?」

「ハイ・・・・・・」

沈黙が流れる

話さなきゃいけない分かっていても

言葉は出てこない

「抱かせてくれないか?」

そう言い真一くんが手を伸ばす

頷き真一くんに受け渡す

「俺そっくりだな・・・・・」

「・・・・・ハイ・・・・」

その言葉と一緒に涙がこぼれる

溜まっていた何かがこぼれだした

真一くんに抱っこされて

声をあげて喜ぶその子を見て

私はバカなことをしていたのだと思い知らされる

真一くんと同じ

ちょっと癖のある真っ黒な髪

目は私に似ていて

鼻筋や口元は真一くんにそっくりで

生まれたとき本当にうれしかった


「ごめんなさい・・・・」

「のだめ?」

「隠していてごめんなさい・・・・・」

そう言い嗚咽する私の隣に座り

肩を抱きよせ

「俺こそごめん・・・・

 一人でこんな事抱え込ませて・・・」

そう呟いた

「名前・・・・なんて言うんだ?」


「みーちゃん・・・・
 ミオンです。美しい音って書きます」

「そっか・・・・美音・・・・」

そう言いあやす真一くんの姿を見て

また涙があふれてくる

「ごめんなさい・・・・ずっと言わなくて・・・

 征子ママにも口止めしてたんです・・・」

「え!母さんは知ってたのか?」

「ハイ・・・・・・」

「言わなきゃダメだって言われました

 けどどうしても言えなくて・・・・・・・」


そう言うとわたしの涙は止まらず

話すことも難しくなっていた


今まで溜まっていた思いを全部吐き出すかのようんに

涙がとめどなくあふれた


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