「彩子・・・・ありがとう・・・・

 結婚しないか?俺達・・・・」



やっと手に入れたその言葉


真一に抱きつきながら

私はあの子に勝ったと確信した


この一年間

私はずっと真一のそばで

あの子を探すふりをしながら

側に寄り添い続けた

本当はすぐにあの子の居場所を見つけた

けど


教えなかった

きっと教えたら真一はあの子の元へ駈け出してしまうから




「真一・・・本当にいいの?」

「あぁ」

そう言った目は明らかに

あの子のことを思っていることがわかった

けど

こうしてずっと側にいて

少しずつあの子を忘れて

すこしずつまた私を好きになればいい

最終的に選んだのは真一なんだから

そう・・・・選んだのは真一なんだから・・・・・





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