パリに来た

どうしても真一に会いたくて



『真一?久し振り。

 私今パリにいるの?会えない?』


そう言い電話した

まるで何もないよう


でも心の中は

真っ黒で

どうにか真一を

あの子から取り戻そうと

ここまでやってきた



もうあれから何年もたつのに

いまだに忘れられないでいた

菅沼さんから

真一とあの子が結婚するかもしれないと聞いて

いてもたっても居られなかった



どんなに

みんなが羨ましがるような人と付き合っても

真一にかなう人なんていなかった




会って

最初はたわいもない話

けどそれだけだったら

すぐに終わってしまう

だから嘘をつき

嘘の悩みを相談した



けど内容はほとんど

うんん、全部が真一と付き合っていた頃

ずっと思っていたことやその時の気持ち

今なら・・・・素直に言えることも言えなかったりする

真一は自分のことじゃないと思っているから

だから言えるのかもしれない

あの頃は真一の前で泣くなんて

考えられなかった

けど

もう絶対だれにも渡したくないから



今まで見せたことのない自分を

真一に見せていた



そして

私の作戦通り

うんんそれ以上の事が起きた




真一の唇が私に触れた


懐かしい感触

けど甘くて

その甘さが私を支配していく


「ダメよ!真一」


そう口では言ってみるけど

本当はそんなこと思ってない

あの子から

あなたを取り戻す一歩としか


優しく私の髪をなでる指



私の中が真一でいっぱいになり

そして快感を味わうあなたのその顔

全てが愛おしい


もうだれにも渡したくない

















あの子に偶然一緒にいるところを見られた


完全に誤解しているようなあの子を見て


もう少しだと思った


あの子を追いかけるあなたを見たときは

心が張り裂けそうだったけど


私の元へ戻ってきて

私に怒りをぶつけるように

抱かれたとき

あの子に勝ったように感じた


そして完全にあの子は

真一の元へを去った


もうひと押し


そうすれば真一は私の元へと戻ってくる





汚くてもいい

誰かに軽蔑されても





それでもいい


真一の側に入れれば




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