ここ何日かのだめを抱くことしかしていなかった


無理やりのだめと体を重ね


無理やりここ数日間


この部屋にのだめを留めていた




久しぶりに入れた携帯の電源


マルレには悪いが代役を立ててもらい

次の後編の練習をしてもらっていた

だが

もうそれにも限界があった

もうそろそろ

ここからでなくてはいけない


のだめの髪をなで

事務所へと向かい

明日から復帰することを告げた


そして俺は

またここに来ていた

「真一。ごめんなさい

 私のせいで・・・・」

そう謝る彩子

「や、お前のせいではないから・・・・」

そう言いコーヒーを飲む

「で?お前らはどうなったんだ?」

「やっぱり、駄目だった・・・・」

「そうか?」

「真一は?」

「たぶんもう、あいつは家に戻らないと思う・・・・」

「そう・・・。

 でもわかんないじゃな?あのこなら待ってるかもしれないわよ?」


そう言い俺を彩子は送り出した





部屋に戻ると

やっぱりのだめの姿はなく

あいつの大切にしていたものは

全てがなくなっていた



本当に終わってしまったんだ




そう思った


どうして抱くことしかできなかったんだろう


プライドなんか捨てればよかった


電話のベルが鳴る


「はい・・・」

『真一?あの子いた?』

「いないよ・・・・

 荷物も全部なくなった」


そう言い電話を切る


さみしくなったクローゼットや本棚


あいつのものが散らかっていたデスク

それ全てがきちんと片づけられ

無機質なものになっていた




本当に終わってしまった



本当に好きなのに傷つけることしか

最後の最後まで出来なかった・・・・・・・


なんで俺はあの時

真実を話さなかったのだろう?

同じ事になるのなら

その方が罪を償えられただろうに

けど


真実を伝えて嫌われることの方が


もっと怖かったのかもしれない
スポンサードリンク


この広告は一定期間更新がない場合に表示されます。
コンテンツの更新が行われると非表示に戻ります。
また、プレミアムユーザーになると常に非表示になります。