「気が向いたらメシ食べに来いよ」


そう言い残しセンパイは私の部屋の前を後にした




そっとドアを開け先輩の後ろ姿を見送る


そして部屋へ入り

ベッドにダイブして

枕を抱きしめる



ほってった頬はまだ冷めず

私は残った腕の感触に

また酔いしれていた

コンコン


また部屋のドアがノックされる


センパイ?


出たいけど


意地もあるし

けど

もう一度抱きしめられたいという

欲望もある



両方の気持ちと格闘していると


「恵ちゃん」


と黒木君の声が外から聞こえた



慌ててドアを開けると

黒木君は夕食を運んできてくれていた


「一緒に食べようと思って」


そう顔を赤めながら言う黒木君を部屋に招き入れる


「あ、のだめお茶入れマスね」


そう言い立ち上がると

後ろから黒木君に抱きしめられた


「く・・黒木君?」

「さっき、千秋くん来たでしょ?

 恵ちゃん千秋くんに抱き締められてたから・・・・

 僕もって・・・・・」


そう言いながらまわされていた手がゆっくり離れる


「びっくりした?」

振り向いた私に

黒木君は悲しそうな表情で問いかけた


私はうなずき黒木君から視線をそらそうとすると


また悲しそうにほほ笑み

私を抱きしめる




力強く抱きしめてるその手は震えていた


「黒木君?」


そう言い顔をあげると


黒木君の唇が私の唇に重なる


何故か抵抗できずに

私はそのキスを受け入れていた
















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