部屋を飛び出しても

センパイは追っては来てくれない

そんな事分かっていた


けど

あの場所にいるのは惨めで・・・・・・・




しばらくの間ロビーにいよう

皆寝ているかもしれないし

そう思いロビーへと向かい歩きはじめる


「恵ちゃん?」

背中から聞こえる声

「黒木君・・・」

「どうしたの?」

「フエ・・・ン」

黒木君の顔を見たとたん涙が溢れ出てきた

そして、黒木君に駆け寄り

黒木君の胸に顔をうずめる

「え・・・?恵ちゃん?」

驚きながらも黒木君は私を抱きしめ

頭をなでそして背中をさすってくれた

「落ち着こう恵ちゃん。

 話し聞くよ?部屋に来る?」

「ハイ」

そう言うと黒木君は私の手を取り

歩きだした

部屋に入ると真澄ちゃんはいなく

そしてツインのはずの黒木君の部屋はシングルの部屋になっていた


「あ・・・部屋キャンセル出たらしくて、ここに入ることになったんだ」

「そうなんですか・・」

「恵ちゃん散らかってるけど、良かったら座って・・・

 って言ってもベッドしか座る場所ないけど・・・・・」

「ありがとうゴザイマス」


そう言いベッドに座り

さっきの事を黒木君に話した

「千秋くんは、照れてただけじゃないのかな?

 だって・・・・恵ちゃんと千秋くん付き合ってるんでしょ?」

「・・・・付き合ってなんかないデスよ・・・・

 のだめの完全なる片思いデス。

 追いかけてばかり

 逃げられてばかり

 何か疲れちゃいました・・・・・」

「でも、好きなんでしょ?」

「ハイ・・・・。

 でも本当に疲れたんデスよ?

 思い続けることに」

「なら・・・・・・

 恵ちゃん、僕と付き合わない?」

「え?」

「僕は恵ちゃんの事好きなんだ。

 恵ちゃんを困らせてしまうかもって思って言えなかったけど

 そんな片思いやめてさ・・・・・」

「でも・・・・」

「すぐに答えなくていいんだ

 僕の事そう言う風に見てくれれば。

 一人の男として」

「黒木君・・・・・」



「じゃ僕は、真澄ちゃんの部屋に行くから

 恵ちゃんこの部屋使って。」

「え・・・でも・・・・」

「いいから。

 よーく考えて。

 何だったらお試しでもいいからさ。」


そう言い黒木君は自分の荷物を持って

部屋を後にした


ベッドに寝転び天井を見つめる


黒木君が自分の事を好きだなんて知らなかった・・・・・


気持はとっても嬉しい

でも・・・・・・・・


黒木君と・・・?


頭の中がぐちゃぐちゃになる


私は目を閉じ

かすかに残る黒木君の香りに包まれて

いつの間にか眠りについていた










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