何事もなかったように過ぎる時間


「見てのだめちゃん!」

「わー!きれいデスね。」

発する言葉はうわべだけのもので

意味を持たず私の心も目もすべてが別のところにある

横目で追いかけるセンパイの姿

そしてふと目に留まるさみしげな表情





唇だけが

さっきまでの熱を覚えている



「恵ちゃん寒くない?」

そう言ってくれかけられるジャケット

「ありがとうございます」

「うんん。」

そう言い去る冷たい手

険しい視線を感じながらも

黒木君のこともほっとけない


私はどうしたいんだろう?

センパイ?

黒木君?

答えは出ているはずなのに

出ない答え

だってあの人は何も言ってくれない


「おいのだめ。どーした?」

「峰君。何にもないですよ?」

「千秋と黒木君、二人となんかあっただろ?」

「何でデスか?」

「お前らわかりやすいんだよな」


「ホントなんでもないですから。」

「じゃそーいう事にしとくか?

 でも、ほんとに答えでないときは相談しろよ。

 ソールメイト」




そう言い清良さんのもとへ去って行く













「センパイ」

「の・・・のだめ・・・

 なんだ?」

「ちょっといいですか?」

「あぁ」







私はセンパイを黒木君の

眼の入らないところへと

連れ出した













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