「センパイのだめの事スキですか?」


「あぁ」


その言葉に私はムスっとして

ため息をこぼす


「何だよそのため息」

「別に何もないデスよ。」

「ないことないだろ?

 ・・・・・明らかに機嫌悪いし・・・・」


不安そうな声で言うセンパイにさらにため息がこぼれる


何でわかんないですかね?

のだめが聞きたいのは

『あぁ』

って言う言葉じゃないこと!

何で言わないんですかね?


「別に何にもナイデスって!!」


そう言いセンパイにクッションを投げつけた

クッションはセンパイの顔面に的中した





「お前いい加減にしろよ!

 俺はお前じゃないんだから
 
 何にお前が怒ってるかわからないから聞いてるんだろ?」


「ちょっとは自分で考えてくださいよ!

 のだめが何を望んでいるかぐらい!!!

 センパイは

 センパイはいっつも的外れなんですから!」


そう言って思わず部屋を飛び出してしまった


だって・・・・

だって・・・・


本当にセンパイはのだめの事分かってないから

そりゃセンパイの言う通り

人の心なんてわかんなくて当たり前です

けど・・・・けど・・・・・

これぐらいは気付いてほしいんですよ


なんで・・・・・

なんで・・・・・・・

なんで・・・・・・・・

何でわかってくれないんですか?

センパイのその言葉の少なさが

のだめを不安にさせてること・・・・・


確かに態度で表したりしてくれてますけど

それだけじゃダメなんですよ

やっぱり

たまには言葉にして欲しいんです


でもさっきのは

のだめが悪いですよね?

結局は八つ当たり・・・・

ターニャが羨ましいだけ・・・・

おもちゃ買ってもらえない子供のように

駄々をこねているだけ

思い返すと恥ずかしくなる

言葉にするのが苦手なセンパイも好きなはずなのに



来た道を引き返す

足取りは重く

訛りがついたように感じる



部屋に着き

そっと静かにドアを開ける

センパイの姿はない

ベッドルームに行き

ベッドに飛び込む

呆れられちゃいましたね・・・・

きっと


そう思うと涙があふれてくる

涙の海に溺れながら

いつのまにか眠りに着く










そして

優しく髪をなでる指を感じ

目が覚める

開けようとする瞼は重く

腫れてしまっているのがわかる


その瞼にそっとキスされる


「センパイ・・・?」

「ん?」

「ゴメンナサイ・・・」

「うん・・・」

「のだめの事好きですか?」

「あぁ」


やっぱりいつもの答え

それでもいいです・・・・


『あぁ』がセンパイのスキなんですよね?


「いつも聞くけど・・・・・

 お前はどーなんだよ・・・」


顔をそむけ耳を真っ赤にさせながら言うセンパイ


「大好きデスよ!」


そうセンパイに抱きついて

私は答えた




END





















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