「わーちちゃいデスね」
小さく動く赤ちゃんに夢中なのだめ
「ふぁーのだめも早く千秋先輩との赤ちゃん欲しいデス」
その言葉にコーヒーを噴き出す
久々の日本
白い薔薇歌劇団の公演も終わり
日本を後にする数日前のこと
卒業と同時に結婚した静香ちゃんが
三善の家に生まれて6か月の赤ちゃんを連れて遊びに来ていた
「わかるわーのだめ、私も千秋様の赤ちゃん産みたいですもの」
「真澄ちゃん・・・・千秋先輩の赤ちゃんを産むのはのだめの役目デスよ。
それに真澄ちゃん産めないじゃないですか・・・・・・」
「あんた!私が一番気にしてることを!」
と言いながらのだめの首を絞める
「しかし静香ちゃんが一番最初にママになるなんてな・・・・」
峰君がボソとつぶやいた
「しかし、変わったよな・・・・・・」
「うん、見違えるほどに
千秋お前、静香ちゃんのこと男だと思っていた時期合ったよな?」
「ああ・・・・・・」
静香ちゃんは少しやせ
昔の面影がないほどきれいになっていた
「ねー静香ちゃん!
やっぱ赤ちゃん産むのって痛いんデスか?」
「うん」
「ほわーーーー・・・・・やっぱり・・・・・・
先輩のだめ耐えれますかね?」
「何の話してんだ!!」
「だから先輩の赤ちゃん産むときデスよ!!
のだめ耐えれるか不安です・・・・・・・
絶対産むときは立ち会ってくださいね!」
「おまえさ・・・・・・
まだ結婚もしてないのに、出産の心配してんじゃねーよ!
そんな事は結婚出来てから心配しろ!」
「むきゃーーーーー!!!!
もう結婚してるようなものじゃないですか!」
「俺は変態を嫁にもらった覚えはねー」
「じゃ、この指輪はなんですか?」
「う・・・・・・」
「約束くらいして行くよっていたじゃないデスか!」
「まぁ・・・・・・・」
二人が騒がしく言い合いをはじめると
「ふぎゃーーーーーー!」
と赤ちゃんが大きな声で泣き出した
静香ちゃんが抱っこして優しくあやす
その泣き声で止まった言い合い
そして安心したのか赤ちゃんは泣きやみ
笑顔になっていた
「ふぉ・・・・流石ママデスね。」
「のだめちゃん抱っこしてみる?」
「いいんデスか?」
「はい!」
そっと壊れ物を扱うように静香ちゃんから受け取る
ずっしりと重みと温かさがのだめの腕に広がる
のだめの口元に手を持っていく小さな手を
先輩が握る
「かわいいな」
「デスね」
さっきまでケンカしていたのに
すっかり赤ちゃんに夢中になる二人
「あっ先輩ダメですよ。
そんなふうに抱いちゃ苦しいじゃないデスか」
「ごめん」
と二人の世界に・・・・・・・・
「やっぱ早くのだめ、先輩の赤ちゃん欲しいデス。」
「子供か・・・・・・
そーだなー、もう少し落ち着いたら欲しいよな」
「デスよね。
のだめは先輩そっくりの男の子がいいデス
先輩は?」
「俺は、元気ならどっちでもいいかな?」
「そ、デスね」
「おい!千秋いい加減にしろよ!」
峰君の言葉に我に返り真っ赤になる先輩を
のだめは嬉しそうに見ながら
「のだめと先輩に、赤ちゃんが生まれたら一緒に遊んでくださいね」
と小さな手を握り話しかけた
スポンサードリンク