先輩が長い長い
音楽の旅に出てもう6か月
たまにかかってくる電話も
忙しそうにしていてすぐに切れてしまう
のだめから電話しても迷惑になるかもしれない・・・・・・
そう思うと電話を手にする手が止まってしまう
先輩の邪魔はしたくない
音楽に没頭してほしい
そんな先輩をのだめは好きで
なのになんでだろう?
涙がとめどなく溢れてくる
「もう・・・忘れちゃいそうデスよ・・・・
先輩の声・・・・・・・・」
ぼそっと彼の写真に話しかけてみる
返事が返ってくるはずはないのに
この気持ちは
決して先輩には言えない
そして伝えることが出来ない言葉
平気なふりしてなきゃって
時計が日付を超えた…・
「HAPPY BIRTHDAY・・・・・」
愛する人から聞きたい言葉を
自分で言ってみる
先輩?
今日はのだめのお誕生日デスよ・・・・・
旅に出る前に
その日は0時ちょうどに電話をくれるって
約束したのに・・・・・・
忘れちゃいましたか?
それとも忙しいの?
メールも無理デスか?
嫌いになっちゃいますよ?先輩
無言のままの電話を見つめても
むなしくなるだけだから
電源を切り電話をふせる
それと同時に玄関のチャイムが鳴る
「Oui・・・・・
ターニャデスか?」
ドアを開けると
私は愛しい人の匂いに包まれた
「・・・・・先輩?」
「遅れてごめん」
「え?だって・・・・先輩今アメリカ・・・」
「休暇貰って帰ってきた
明後日までしか入れないけど」
「どして?
先輩・・・忙しいのに・・・・」
「お前の誕生日だろ?」
涙があふれる
言葉にならない
いつもカズオなのに
いつものだめの事より音楽の癖に
「なにやってんデスか?
忙しいのに・・・・・・
飛行機乗るの怖いくせに」
「うん・・・・・」
「先輩・・・・・大好きデス・・・」
「うん」
でも、こんなところが大好きなんデス。
部屋に入り
先輩が買ってきてくれたケーキとワインを飲む
そして先輩が
小さなプレゼントをくれた
小さな箱には
ペンダントと指輪とよく似たデザインの腕時計
「ペアウォッチだから」
と言いすでに先輩の腕で時を刻んでいる時計を見せてくれた
どうか、この時計がずっと二人の時間をつなぎ
時を刻んでいってくれますように
そう願いを込めて
先輩がつけてくれた時計にキスをした
「のだめ愛してるよ、誕生日おめでとう」
顔を赤くして言ってくれた言葉に
とびっきりの笑顔で
「のだめも真一くんのこと世界で一番愛してマスよ」
といい唇を重ねた
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