店に着きたまたま空いていた

個室の部屋に入れてもらい

ご飯を食べながらたわいもない話をした

けどその内容は

私の頭の中には一切入らず

流れていく


隣同士に座った距離は

肩が触れるほど近く

私がいま緊張していることが

伝わりそうだった



デザートも食べ

2杯めのドリンクがテーブルにきた





「黒木君」

「どうしたの?」

「のだめ・・・・・黒木君のことスキですよ。」

「どうしたの?恵ちゃん」

「昨日のだめ一生懸命考えたんデス。

 黒木君は二番目でもいいって、頑張るって言ってくれマシタ。

 のだめ・・・・・・黒木君がそう言ってくれるなら、それでもいいかもって思いマシタ。

 けど・・・・・・黒木君の事も好きだから、やっぱりできマセン。

 ごめんなさい・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


黒木君の目がだんだん

暗くなるのが分かった



「けど・・・千秋くんの側に入るの?」

「先輩とも離れるつもりデス」

「僕のこと少しでも好きなら僕は耐えられるよ」

「デモ・・・・・のだめが嫌なんデス・・・・・

 千秋先輩がいるときは先輩に

 そうでないときは黒木君にって・・・・・・

 そんなのイヤなんデス。

 だから・・・・・・・・」


そう言いうつむく黒木君の顔をのぞき込みキスをする


「最後のキスデス」

そう言い黒木君の首に腕をまわし

また唇を重ねた


自分から黒木君の口内に舌を入れ

絡めていく


次第にそれは激しくなった


唇が少し離れたとき

私は腕をほどき

体を離す

鞄を持ち立ち上がると

黒木君の手が弱弱しく私を引き止める


「恵ちゃん・・・・・・・」


振り返りもう一度軽くキスをし

歩み出す

引き止めていた手がゆっくり

力なく解け

ぬくもりが消える


涙があふれてくる

でももう引き戻らない

部屋のドアを閉め



お会計をすませ

店を出る


心の片隅で

黒木君が追いかけてきてくれることを

少し願っている私がいた



引き止められても


答えられないのは同じなのに



どうしようもならないのに


そんな事を願ってしまった
















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