のだめにとって
真一の優しさが怖かった
毎日の電話
その時にかけられる優しい言葉
全てがウソに聞こえてくる
「真一くん、忙しいんデスから
のだめにそんなに電話してこなくてもいいんデスよ」
『俺がお前の事心配なんだから仕方ないだろ?』
「心配ですか?」
『当たり前だろ。
お前はいつもと違うんだから。
つわりはどうだ?』
「大分なくなってきました。」
『そうか、ちゃんと今日検診行ったのか?』
「いきましたよ。
順調だって言ってました。
あっ、あとでエコーの写真パソコンに送りますね」
『ああ。
じゃまた時間できたら電話するから』
「・・・・はい
じゃ真一くん、お仕事がんばってください」
電話を切るとホッとする
なにもなければ
幸せな会話も
今ののだめにとっては
何かを隠すための
優しさにしか思えてなかった
真一が旅たったあとも
のだめへの嫌がらせは続いていたからだ
本当は電話に出るのも怖い
パソコンへと向かい
約束通りエコーの写真をカメラにおさめ
パソコンで真一に送信した
そして大きな荷物を手に持ち
のだめはNYへと向かう
3日後の真一の公演を見るために
そして自分の気持ちを正直に
真一に伝えるために
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