帰るとのだめは
また美音とお昼寝をしていた
母さんに聞いてみると
帰ってきたとたん美音のところへ行き
そのまま隣に寝ころぶと
寝息を立てていたらしい
母さんも帰り何もすることのない俺は
部屋の中央にあるピアノの前に座っていた
ふと弾き始めたのはバラード第1番ト短調OP23
導入部からかなり独創的で、第1主題は詩人が静かに物語るように始まる。
第2主題は非常に甘く魅力的で、次にもう一度第1主題。同じ旋律が爆発するような強音で再び登場する。
以降は極めて華やかな経過部。
そして極めてピアニスティックなコーダは、終わりそうで終わらない。
ほどばしる情熱や情緒的な部分などが随所にみられ極めて魅力的な曲
ショパンが5年をかけて作り上げてきた曲
何かの思いをぶつけるかのように
弾き終ると
のだめが横に立っていた
「のだめ」
「・・・・・・・・」
何も言わずにのだめは俺を抱きしめた
やっとこいつの元へと帰ってきたような気がした
すごく遠まわりをして
旅に出てしまった
けどやっと
自分の場所に帰ってきた
そんな気持ちでいっぱいだった
これでまたこいつと一緒に歩ける
「のだめ」
俺の髪をなでるのだめの指を止める
椅子に座っていた俺は立ち上がり
今度は俺がのだめを力強く抱きしめた
苦しそうにするのだめ・・・・
何か言いたいようだが
まだ声は出ない
もしこいつの声が戻らなかったら?
不安がよぎる
でも今はいい
こうしてこの腕の中に
こいつがいるだけで幸せだ
のだめの頬に手をあてキスをしようとすると
美音の泣き声が部屋に響く
のだめと目が合う
そっと俺はのだめの唇のキスをして
そして美音の元へと行く
その後ろをついてくるのだめ
二人で泣く美音をあやす
俺がずっと探していたものが
ココにあった
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