街を一人歩く

泣いているのを気づかれないように

足早に早く・・・・・・



気づいたらブロードウエイのシアター街へと来ていた


キラキラ光るネオンの中に見つけた

『Lea Miserables』の文字

今の私にぴったりの題名

吸い込まれるように私はその中へとはいって行った


幕が上がる

あぁそう

私はコゼットになりたかった

彼に愛されて幸せに暮らす

エポニーヌにはなりたくなかった

なのに

これじゃどちらにもなれない


真一からは愛されず

そしてエポニーヌのように

彼の為に死ぬ事も出来ない


I love him
But every day I'm lonely
All my life I've only been pretending
Without me, his world will go on turning
The world is full of happiness that I have never known

I love him
I love him
I love him...
But only on my own...


そう、私にはもうきっと

幸せな世界に縁はないんだ

ずっと見栄を張っていたから

素直になれなかったから

あの子のように

素直になれていれば

きっと変わっていたはず

けどもう遅い

涙は枯れてもう出ない




きっと私がいなくなっても

悲しむ人もいないだろう




Don't you fret, M'sieur Marius 
 I don't feel any pain 
 A little fall of rain can hardly hurt me now 
 You're here, that's all I need to know 
 And you will keep me safe 
 And you will keep me close 
 And rain will make the flowers grow. 



 But you will live, 'Ponine - dear God above, 
 If I could heal your wounds with words of love. 



 Just hold me now, and let it be. 
 Shelter me, comfort me 


そう

もう

楽になりたい

けどきっと彼は

祈ってはくれないは

あの子が傷つくのを恐れて

けどもういいの

私がいなくなって

彼の中に傷となって残るのなら





もう傷つきたくないの・・・・・・・・・・・・・






ホテルに戻り

スーツケースの中から薬を出す


この一年欠かせなかった薬

こっちに来る前に多めに処方してもらってよかった

ずっと眠れなかった

薬も効かなくなっていた

真一は知らない

私がいつも薬を服用していること


ずっと不安が付きまとっていた一年

これで私は

ゆっくり眠られる

悲しみからも不安からも

全てから解放されて

『お酒とは一緒に飲まないでくださいね。

 薬が効きすぎてしまうから』


ワインを開け

薬を何錠もワインで流し込む

持ってきていた薬をすべて

飲みつくし

さらにワインをもう一本開け

飲みきり

私は朦朧とする意識のまま

ベッドへと入った

私は彼のためではなく

自分の為に・・・・・・・・・

遠のく意識の中

浮かんだのは真一の笑顔だった
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Comment

彩子さん・・・つらいですね・・・
ma belle 2012/09/15(土) 07:04 edit del

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