起きてみると
先輩の顔が真横にあった
「ふぉぉ」
私の手を握り
片手は髪に触れていた
思わずにおいを嗅ぐ
シャンプーのにおいと髪が
鼻先をくすぐる
いままで
先輩に好きになってもらうことに必死だったのに
なぜか今は
先輩に追いかけられてて
それが苦しい
好きなのに
あの気持ちは消して変わらないのに
お腹に手を当ててみる
きっとこの子は
先輩の子供
私はそう思う
けどもし違ったら
って思うと怖くなる
先輩は
この子が黒木君の子供でも
それでもいいから
一緒に育てようって言ってくれた
結婚しようって
生まれて初めての幸せ
先輩からプロポーズされるなんて
思ってもいなかったから
私がそっと先輩の髪を触ると
もそもそっと手が動き
私の頬を捉えた
「・・・おはよ・・・」
「おはようございマス」
「イテテ!座ったまま寝たから」
そういい体を起こし背伸びをした
「先輩いつから?」
「あー夜中黒木君と会って話してからきた」
「ずっといてくれたんデスか?
あの・・・?黒木君はなんて?」
「あーー。今日午前中に来るって。
3人で話そう・・・・・・」
「ハイ・・・・・」
うつむく私の頭をくしゃくしゃにしながら
「大丈夫。
お前は何にも心配するな」
そう先輩は言った
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