目が覚めるとベッドの上で
点滴に繋がれていた
「イタ・・・・・・」
額の右側に大きなガーゼが貼られている
自転車にぶつかって倒れたところまでは覚えているが
それからのことは記憶にない
人の気配がしドアが開く
とっさにベッドにもぐり
気がついてないふりをする
足音はベッドの横でとまり
「のだめ・・・・」
そう言い私の頭をなでる
先輩だ・・・・・・
「ごめんな・・・・・」
ベッドに腰かけると私の手をとり
両手で包みこんだ
静寂が部屋を包みこむ
廊下の方から走る靴音が近づき
「千秋!」
声と同時に扉が開く
二人分の足音はベッドの方までやってきた
「のだめは?」
「まだ眠ってる。
悪いな峰、真澄」
「いいんですのよ千秋様のお役にたてるなら」
「で?どうなんだ??」
「おでこ少し縫って、後は軽い打撲なんだけど、しばらくは安静にしてなきゃいけないみたいで・・・・・・」
「どした?他に何かあったのか?
まさか記憶喪失になるとか?」
「いや・・・・・」
「大丈夫ですわ千秋様!
のだめバカですから、これ以上バカになることはありませんわ」
「いや・・・そうじゃなくて・・・・・」
「なんなんだよ!もっとなんか深刻な病気が見つかったのか?」
少しの沈黙の後
「おまえら絶対言うなよ・・・・」
そう小さな声で言い
「ああ」
「もちろんですわ」
「のだめが・・・・・その・・・・・・・
あ・・・・」
「何だよ!はっきり言えよ」
「妊娠してるらしい」
先輩は大きく深呼吸をしそう言った
「えええええええ!!!!!」
二人が大声で叫ぶ
その声に交じり
「ギャボ」
と小さな声で言ってしまった
「のだめ」
そう言い私の顔をのぞく
思わず口を手で押さえてしまい
気がついたことがばれてしまう
「お前大丈夫か?」
そう言い私の髪をなでる
起き上がり
「先輩・・・・・」
と言うと
強く抱きしめられ
「気がついてよかった」
と少し鼻にかかる声で
先輩は言った
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