翌朝

先輩がまだ寝ている間に

私は部屋を出た

そしてそのまま

自分の部屋には帰らなかった





学校に行っていたが

先輩の姿を避けて

ずっと過ごしていた

噂で先輩が

凄く落ち込んでいるとは聞いた

本当は飛んで行って

先輩を励ましたかった

けど・・・・・・

それはできなかった

のだめから離れるって決めたのだから



ただ

まきちゃんとレイナちゃんを通して

先輩は公演のチケットを送ってくれた


これだけは見に行かなきゃ


そう思いながら

私はピアノのレッスンに明け暮れていた


コンクルに出ることを決めたから・・・・


先輩や黒木君とは

さよならしたけど

音楽だけは繋がっていたいから


だから


ピアノは辞めれない


もっと練習して


もっと上手になって


先輩にも黒木君にも


認めてもらいたいから


それが

うんん・・・・・・


それしか

今の私には出来ないから








コンサート当日


着いた席は中央の一番

指揮が見やすい場所だった


それだけで

涙があふれてくる


舞台へと出てきた先輩は

少しやせていた



シューマン

マンフレッド序曲

作品115

人生に悩むマンフレッド

その苦悩と絶望


激動の人生



先輩はまるでそれを自分に重ねているように思えた



そして


モーツァルト

オーボエ協奏曲

ハ長調作品314



黒木君は

私に気づき

少し寂しそうにほほ笑んだ

黒木君から出される音は

あのころと同じで



まるで愛をささやいている様に思えた


これが先輩が作ったモーツァルト


涙あふれてくる





そっひて小休憩を挟み


ブラームス




最後の曲



やっぱり先輩の作り出すこれには

悲しみが出てる

のだめが救い出したい

けど・・・・・・・

もうかなわないこと


最終楽章を聞く前に


私は静かに席を立った



これ以上ここにいると


舞台にかけ出して行きそうだったから























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