退場のとき

パイプオルガンが鳴り響く

「ふお、ベト7」

先輩がはじめて指揮をした曲だった

そして弾いていたのは

先輩のお父さん

「・・・・せ、先輩」

気付いてない先輩の腕を引っ張り指をさすが



ひと目見て下を向き無言のまま歩きだす


会場を出た後も下をずっと見たままの先輩

「先輩・・・よかったデスね」

「・・・・・・」

「お父さんも来てくれて。
 ましてやオルガンまで弾いてくれて。
 先輩の事、ちゃんと考えてくれてたんですよ。
 きっと、いつも・・・・・」

「・・・・・・」

「後でのだめと一緒にお礼言いに行きましょ」

「・・・のだめ・・・・」

やっと先輩の顔が上がる


「先輩も素直にならなきゃ・・・・
 来てくれて嬉しかったって、言いにいきましょうね」

「ああ・・・・」

「そしてのだめを紹介してください!
 俺が世界で一番幸せにしたい女だって!!!
 ムキャーーーーーー」

とのだめははしゃいだ


いつもなら
『誰がするか!!!!』

と返ってくるのだが

先輩は「ああ」といいほほ笑んだ



会場から皆が出てきて
フラワーシャワーが行われた

そしてブーケトス

ブーケを手に入れたのは

真澄ちゃんだった


大喜びの真澄ちゃん
その横で峰君が叫んだ

「千秋!ガータトスしろよ!!」
と・・・・・

「だ・・・誰がするか!!」
と叫ぶ先輩

「え?しないんですか?
 のだめ楽しみにしてたのに」

「楽しみって・・・・/////」

そして方々から
しろとの声が響く

「先輩ここは男らしく
 さっさと取ってしまってください」

「男らしくって、なんだよそれ!
 クソ、わかったよやりゃいいんだろ」

と顔を真っ赤にしてのだめのドレスの中へ入る


「ちょ・・・
 やだ・・・
 ・・・・先輩・・・
 くすぐったいです」


ドレスの中からこもった声で

「黙れ!動くな!」

と言う声が聞こえてくる


周りのみんなはニヤニヤとしながら

先輩が出てくるのを待った


見事にガータベルトをくわえて出てきた先輩の顔は

さっきよりもさらに真っ赤になっていた

「いくぞ」

と言う声とともに

ガータベルトが空に舞った
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