重い・・・・・・

体が腕に誰かの重さを感じる


だるい体を起こす


腕の中にすっぽりと収まり寝るのだめ


あー・・・・・やってしまった


幸せそうなのだめの笑顔

柔らかな栗色の髪をなでる・・・・・・・

「ん???」

鏡の前に立ち

確認する

元に戻ってる・・・・・


「おい!のだめ起きろ!!」

 見ろ!元に戻ってる!!!」

「ん・・・ん?センパイ??」

そう眼をこすりながら

ゆっくりと体を起こす

「あ・・・・・あれ??戻ってます」

「あーよかった・・・・・」

胸をなでおろす俺に

不機嫌そうな態度で

「つまんないです・・・・・」

そうぼそっと言った


「何言ってるんだ!」

そう言いのだめの方を見ると

忘れていたが

昨日の情事のあと

そのまま二人とも寝てしまったので

真っ裸・・・・・・・

「あ・・・・・お前服着ろ!」

そう言い後ろを向く

「あっ・・・・・ハイ・・・・・・」

しばらくの沈黙が流れる

俺も下だけ部屋着を取り出し着た

タイミングが分からず

ずっと後ろを向いていると

そっとのだめが後ろから抱きついた

「のだめ?」

「ねぇ先輩・・・・・のだめの事好きですか?」

「・・・・・・・・・後輩としてはな・・・・・・・」


あんな事をしても

まだ認められない

こいつを好きという事

迷いかもしれない

すりこみ現象かもしれない


まだ・・・・・自信がない


いろんな言い訳が頭の中を駆け巡る


「そ・・・・ですか・・・・・・・」

後ろを振り向こうとすると

『こっち見ないでください』

そうかすれた声が聞こえる

「のだめ?泣いてるのか?」


「やっぱりもう・・・・諦めますね?

 だって届かないから

 どんなに頑張っても」

そう言い腰にまわせれていた

腕がゆっくりと離れる


小さな足音が少しずつ

俺の元から離れていく

その音が少し早くなった瞬間

俺はのだめの腕をつかみ

自分の方へと手繰り寄せた





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