「センパーーイ!!」

キッチンの方から聞こえるのだめの声

「ちょっと手伝ってください!」

スコアをテーブルに置き

キッチンに行くと

必死にコーヒーメーカーの

コンセントプラグを抜こうとしているのだめ

「抜けないんです・・・・」

「貸してみろよ」

そうため息をつき言い

抜こうと試みるが抜けない

「お前どんな入れ方したんだ!!」

「普通に入れただけです!!」

そう言い俺の体に触れた瞬間

コンセントプラグは抜け

電気が走る





「いた・・・・」

倒れ込んだ体を起こす

「のだめ・・・大丈夫か?」

そう言った目の前には倒れている

自分の姿・・・・・


「俺・・・・死んだのか?」


呆然とする

まさかこんな事で死ぬなんて

思ってもいなかった


「う・・・ん・・・イタイ・・・」


そんな事を思っている俺の目の前で

俺の体が動き出す

「え?」

「センパイだ・・・・・・え?」


自分自身と目が合う


これって


「え?のだめ?

 のだめは、私なのに?

 え?」

「・・・・・・・・・入れ替わってる」

「え?」

「お前早く俺の体から出ろ!!

 今すぐ出て行け!!!」

「せ・・・センパイ?」

「そうだ!なんでよりによって。

 こんなんなら死んだ方がましだ!」

「むきゃーー!何言ってるんですか!」

「俺の体で奇声を発するな!」

「どういうことなんですか?」

「入れ替わったんだよ!

 俺とお前の体が!!!!」

「むきゃーーーーーーーーー!!!!」

やっと事の重大さを理解したのか

のだめがまたさらに大きな奇声を放つ


「これってマンガみたいですよね!

 のだめこういうの体験してみたかったんです☆」

「え?」

「きゃーーー先輩の体暫くのだめのものです」

と言い喜び出す

こいつの頭の中はどうなってるんだ


「お前考えろ!元に戻る方法を!」

「えーーーもうちょっと楽しみましょうよ。

 さっき変わったばっかりですよ?」

もうこの歳こいつの事は無視しよう

そう思い喜ぶのだめをほっとき

原因であろうコーヒーメーカを見ると

コンセントの部分は黒く焦げ

原形をとどめていなかった

プラグに入れようと試みるも

入りもしない

「終わった・・・・・・」

落胆している俺の横で

「えーどうしたんですか?センパイ?」

と無邪気に言ってくるのだめ


「どーするんだよ
 
 明日から・・・・・・」

「でも冬休み中でよかったですね?

 ガコもお休みだし♡

 ガコはじまる頃にはきっと戻ってますよ

 それまで楽しみましょう

 ね?センパイ!」

単純なのだめを俺は

初めて羨ましく思った





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