そっとドアを開け

家へと入ると階段を駆け下り

先輩が駆け寄る

「ごめんなさい」

そう言うと

「大丈夫か?」

と心配そうに私を見つめる

「ハイ・・・・・。

 智くんと話をつけてきました。」

そう言い智くんから受け取った離婚届を手渡すと

それを確認し

ホッと息をはき

私を抱き寄せる

「無事でよかった・・・・・」

「ごめんなさい」

「とりあえずお前は部屋で休んでろ。

 母さん達も心配してたから、連絡しておくから」

「はい」

部屋に入りベッドにダイブする

大きなため息が漏れる

智くんは

幸せにって言ってくれた

けど

そうはいかない

そう思うと胸が締め付けられるが

決心をする

次のR☆Sのコンサートが終わったら

先輩の元を離れようと

今度は大川にも帰らず

一人で1からやり直そう


そう心に決めていた

誰も知らないところで

ひっそりと

迷いはあった

けどその迷いは

最後に智くんと体を重ねたとき

決心に代わっていた

それまでの間

精一杯先輩を愛そうと思った

時間は短いけど


それにもし

本当に先輩がのだめの運命の人なら

きっとまたどこかで会えるはずだから

好きすぎて苦しい

それで

周りを傷つけてしまうなら

離れる事も愛情の一つだから


それまでは

これを見破られないようにしなきゃ・・・・・・



「やっぱり一番好きな人とは

 うまくいかないものなんですかね・・・・?」

ボソリと独り言が部屋に響いた









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