頭が痛い

体が動かない

ぼーーっとする


思うように動かない体を起し

ため息をつく

まだ夜?

微かに聞こえる寝息



その姿を見て昨日の夜の事を思い出し

暗闇に飲み込まれそうになる

ここから逃げ出さなきゃ

とっさにそう思った

ベッドから出て

立ち上がると

足元に伝い流れ落ちる

智くんの痕

もう涙さえ持出ない


服を着て

今とっさにこの暗闇の中で

し出来るだけの支度をして

家を飛び出した



携帯でタクシーを呼び

博多駅付近で降りる

少しずつ明るくなっていく空

けど私の心は

どんどん闇へと落ちて行く

初めて智くんの事怖いと思った

どうしよう

もし子供ができてしまったら

そんな事ばかりが頭を駆け巡る

先輩に電話する事も出来ない

ターニャ・・・・・・


そう思い電話をかける


『・・・ん・・・ハイ・・・・』

眠そうな声が電話の向こう側から聞こえる

「ター・・・ニャ・・・」

『え?・・・・のだめ???

 どうしたの????』

「のだめ・・・どうしたらいいんですか?

 もうお家にも帰れません・・・・」

『え?どうしたの?何があったの?』

優しい声に涙が止まらなくなり

話せない

『今どこにいるの??』

「博多デス・・・」

『ヤスと行くから待ってて

 な?泣かないで・・・』


慌ててるターニャの声

それにただ「ハイ」としか言えなかった







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