指先から凍りつく

先輩のキスした場所だけが

何かの魔法にでも掛けられていくかのように


そして反対の指は

氷でも触っているような感覚だった



「恵?」

呆然とする私に

智くんは優しく微笑みながら

「俺は負けないからね」

そう強い口調で言った

私は何も言えず

どうする事も出来ない

自分が招いてしまった状況なのに



何もできない

「智くん・・・ごめんなさい」


「やっぱり・・・・彼の事が?」

そう悲しく言う智くんの言葉に

否定も肯定も出来ない

「どうしてだまってるんだ?

 恵の事だろう?」

「だって・・・・わかんないんデスよ・・・・のだめも」

泣きながら言う私の腕を引き

智くんは私の腕を引き部屋へと歩き出す

「恵、智くん!」

ヨーコの叫ぶ声がこだまする

部屋に入ると智くんは鍵をかけ

私を抱きしめキスをする

「や・・・やめてください!!」

激しく拒否をするが

そんなことはお構いなしに

私を押さえつける

初めて私は

智くんの事を

怖いと思った

そして男の人なんだと

いつも優しくて

何でも許してくれて

私を甘やかせてくれる人

どちらかというと女友達に近いような

そんな感覚だった

肌を重ねてもその間隔は変わらなかったのに

どんなにないて「やめてください」と頼んでも

力は弱まることはなく

私を押さえつける

「昨日の夜・・・・・あいつとしたんだろ?」

泣いて首を振るが

「嘘つくなよ!」

そう怒鳴り

私の服の隙間から手を入れ

胸を触りだす

「な・・・・?比べたんだろ?俺と、彼を・・・・・

 恵は俺と結婚してるんだ、もう誰にも触らせない」

初めて見せた智くんの私に対する独占欲だった





 
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