彩子が日本に戻って
もうすぐ1週間
まだ声の出ないのだめ
けどそろそろ俺もパリに帰らなくてはいけなくて
のだめと美音も連れて向こうに戻ることにした
本当は日本に戻る方がいいのかもしれない
そうも思った
あいつの故郷でしばらくゆっくり過ごす
それがあいつにとってもいいんじゃないかって
けど
日本には彩子がいる
そう思うと日本に帰る事も出来なかった
東京と福岡離れてはいるが
のだめを刺激したくなかった
子供連れは大変だと
母さんも一緒にパリまでは来てくれる
けどその前に
父さんと皆で食事をすることになった
何故だろう
あの人にはこんな所ばかり見せてるような気がする
前はのだめがシュトレーゼマンと共演していなくなり
俺がものけのカラになっていた時・・・・・
そして今回・・・・・・・
ましてや俺の知らないところで
のだめや美音が世話になっていた
っというのも・・・・微妙だ・・・・・
まだ美音が小さいから
この家でする事になった食事会
何年振りだろう?
この部屋に家族が集まるのは
何度か父さんの公演について
NYには来ていた
そのたびに利用していた部屋
けど父さんは
ほとんどココにはいなかった
ここで倒産と食事した記憶は1回しかない
本当に来るのか?
そんな俺の不安をよそに
父さんはやってきた
小脇に美音へのプレゼントを持って
俺にはその光景が信じられなかった
美音を抱きあやす父
それを見て微笑み笑う
母さんとのだめ
幻を見ているような気持になった
俺からは何も話すことなく
食事は進み
食事会も終わり
父さんは家に帰ると準備をしだした
名残惜しそうに美音を抱く
「駅まで送ってくる」
そう言い父さんと家を出た
駅までの道を無言で歩く
何を言ったらいいのかわからない
すごくのだめにも美音にもよくしてくれたことは分かっている
でもどう言葉にすればいいのかわからなかった
「じゃ。」
そう言い地下鉄への階段を降りはじめる
「父さん!!」
思わず掛けた声に驚き振り向く
手に力が入る
「ありがとう・・・
のだめの事美音の事」
「あぁ」
「パリに来たら家に美音に会いに来てやって・・・・・
写真も送るから」
そう言うのが精いっぱいだった
歩きながら手を振る
父さんの姿に何かが変わったことを感じた
スポンサードリンク