静まりかえった部屋からは

自分の呼吸と

たまに部屋の前を通る人の声しか聞こえてこない

このまま

なにもせず

何も考えず

何も感じず


ここに入れたらどれだけ幸せだろう?






けど

夢の世界でも

真一君が私を苦しませる

何度も何度も

同じ夢で目が覚める


今は思い出したくないのに

真一君のことは




この部屋に籠って3日


食欲もわかず

何もする気になれず

ひたすら

ベッドの上で

寝ては起きての繰り返し

そして目覚めるたびに

泣いている・・・・・・・




どうしてしまったのだろう?

もう自分が自分ではないように思えても来ていた




あの手紙

真一君は見たのだろうか?


携帯の電源

入れるのが怖い

『もうじゃ、終わりにしよう』

っていわれたら?

そう思うだけで

怖くて仕方無い



ベッドからゆっくりと起き上がり

バスルームへと向かう

まぶたの腫れは

日に日に酷くなっていく



「目薬・・・買いに行かなきゃ・・・・・」

充血した眼は

少し痛みを持っていた


シャワーを浴び

久々に外に出る


太陽がまぶしく

目がくらむ

ずっとカーテンも閉めっぱなしだった





目を細めて空を見る

きらきら輝く空が

疎ましく思えた


後ろから来た人が私にぶつかり

よろめく

「失礼」

と私の腕をもった人物の声は真一君だ


思わず顔をそむける

「のだめ」


体がl凍りつく



「真一」


そのはるか後ろから聞こえるのは


間違いなく彩子さんの声





ヒールの音が近づき

歩みを止める


「あなた・・・・・・」

「お久しぶりです彩子さん・・・」


おなかの底から声を絞り出す


「真一君も何日ぶりデスかね?

 二人で何してるんデスか?


 のだめが何も知らないとでも思ってるんデスか?

 真一君・・・・・」





私の表情を見て驚いているのがわかる


「のだめとりあえず部屋で」

「部屋じゃないと話しできないことなんデスか?


 今は話したくありません・・・・

 じゃ。」


そう言い私は真一君の手を振り払い

ホテルの中に駆け込み

エレベーターホールに走った

そしてエレベーターに乗り込むと


追ってきた真一君もそれに乗り込んできた
















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