翌朝目が覚めると

いい匂いがした

私の好きな朝食の匂い


そっとドアを開けリビングをのぞくと

真一くんが私の分の朝食を用意してくれていた


「のだめ・・・座れよ」

私に気づいた真一くんは優しく声をかけてきた

けどその仕草はよそよそおしく

まるで昨日のことを物語っているかのようだった



椅子に座り向き合い朝食を食べる

「のだめ・・・・

 今日は少し一緒に出かけないか?」

「・・・・ハイ」


そう言うと朝食を素早く済ませ

出かける用意をしセントラルパークを

二人で歩いた

何も話さずただ無言のままで

そして真一くんは立ち止まり

私の方を向き

静かにうつむきながら

話し始めた

「のだめ・・・・・・

 やっぱり俺、お前のこと今は受け入れられない

 自分のこと棚に上げておいてこんな事言えた立場じゃないけど

 やっぱり、あいつと寝たことが許せない」

あーやっぱり・・・そう心の中でつぶやいた


「でも、お前のことが嫌いになったわけじゃないし

 これからも先、一緒に過ごすならお前だって思ってる

 けど・・・・・」


「もういいですよ・・・・

 これでホントに終わりにしましょう?」

「終わりにしたいわけじゃないんだ!

 だから・・・・1年待ってくれ

 1年って長いけど・・・俺は俺自身もう一度見つめ直し

 そしてもう一度1年後の今日ここで会おう」

「のだめは、待ちませんよ?

 1年も・・・・・・・・・

 1年待って何になるんですか?」

「それは・・・・・」


「ね?ほれもう終わりですよ。

 のだめと真一くんは・・・

 でもいつか・・・・コンチェルトしましょうね?

 サヨナラです」

そう言い私は走り去った


走りゆく瞬間真一くんの手は

ギュッと力が入っているのが見えた







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