どれぐらい時間がたっただろう?

明るかったはずの窓の外は

もう闇が落ちていた

そっと立ち上がり自分の部屋のドアをあけ

ベッドになだれ込む


月明かりだけが照らす部屋の中

その光に照らされた壁にそっと触れた




隣の部屋に真一くんがいる

今までなら

それが嬉しかったのに

今は悲しみしか出てこない


やっぱり

真一くんと彩子さんは・・・・・

さっきの真一くんの言葉を思い出し

涙が止まらなくなる

のだめの何がダメだったんデスか?

彩子さんの方がくびれがあるからデスか?

のだめのこと

その時・・・・・忘れていたんですか?

存在も・・・何もかも・・・・・・


ここに来た時はまだ微かに

色が付いていた世界は

一気に色をなくし

真一くんが汚いように思えた

抱えられた時

触れられたくないって思ってしまった




もうダメ・・・・・

真一くんのことそんな風にしか見れなくなってる




それが余計に私を落ち込ませていた


やり直す?

信じれるように頑張る?

できるの?



できないならまだ今別れた方がいいのかも


そんなことばかりが頭の中を駆け巡る





RRRRRRRRRRRRRRRRR



電話のベルが部屋をこだまする




「ハイ」


そう出た電話の向こう側の優しい声に


涙があふれて話せなくなる

何でこんな時に電話してくるんですか?

どうして?






神様は意地悪ですね・・・・・





声の主の言葉は頭な入らないけど

その優しい声が私の中の

心の奥底の思いを

涙に変えて出してくれた





ダメなのに

今だけ少しだけ甘えさせてください





そう心の中で言い訳のように唱え


鞄とコートを手にして暗闇の中へと

足を踏み入れた


光ではなく

暗闇の方へと








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