「なんであなたなんデスか?」



扉が開いて

私を出迎えたのは


あんまり会いたくない人


どうしてマスターヨーダは

この人を紹介したんでしょ?


確かにすごい人ですよ?

けどこんな時に会いたくありまセンでした・・・・





「のだめ・・・失礼させていただきます」

「おい待て!」

「な・・・なんですか?」

「お前真一の?」

「・・・・・・・・・」

「だ・・・・だからなんだってんですか?」

「とりあえず入れ」


そう言われて

しぶしぶ部屋に入る

何でヨーダ

真一君のお父さんを紹介するんデスか??



少し散らかった部屋

真一君とは全然違う部屋の中

ただ

ピアノの周りだけはきれいに整っていた


「ピアノを教わりに来たんだろ?」

「ハイ・・・・でも、もうやめようと思ってるので・・・・」

「真一か?」

「あ・・あなたには関係ない事デス」

「結局あいつは、俺に似てるんだよな・・・・・」

そう言い淋しそうな顔をした

「全然似てないと思いますよ」

「容姿じゃなくて、根本的なものがな・・・・・

 失って初めて気づく・・・・・・」

「それ征子ママのコトですか?」

「とりあえず行くところないんだろ?

 あいつに慰謝料で渡したマンションがあるからそこにしばらくいろ

 話しておくから」

「あ・・・あの・・・・征子ママには、ヒミツにしてくれませんか?」

「わかってる」


そうぶっきら棒に言うと

真一君のお父さんは静かにピアノの前に座り

ショパン

Pianoconcerto第1番 - 第1楽章


のだめがミルヒーとした曲・・・・・

のだめのとは全然違う

深い音


あのころと同じ

私はまた真一君を傷つけている








けどもう

きっと引き返せない

あのトキのようには

そんな気がする




まだこんなに

好きで仕方無いのに

私はどうしたらいいのだろう?


真一君がつけた

痕はは消えてしまったけど

消えない跡が私の心を締め付ける


ねぇ真一君

今だれといるの?

私を最後に抱いた時のように

お願い彩子さんを抱かないで


私の付けた爪痕が

真一君の心にまだ残っているのであれば




あの時みたいに

私をまた迎えに来てくれる?

また

私に笑いかけてくれる?






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