会場は都内のホテル
昔は居酒屋が宴会の会場だったのに
えらくR☆Sも出世したものだ
「ちあき、のだめ先にこっちの部屋で着替えてくれ」
そう言われてお互い別の部屋に連れて行かれる
用意されていたのはショートフロックコート
「なんだよこれ！」
「え？今晩は正装でパーティーしよって話になってさ。
だからほら俺もタキシード！真澄ちゃんはドレスだけど・・・・」
「何考えてんだ？お前らは・・・・・」
「最初はさー仮装にしよって思ったんだけど反対されて」
「お前は・・・・本当相変わらずだな」
と思わず苦笑いしたが、変わってないこいつを見ると
本当は安心する。
着替えが終わり外に出るとのだめは真白なロングドレス
清良はワイン色のドレス
そして真澄は黒のドレスに身を包んでいた
「先輩カッコイイ」
「ありがと」
「お腹目立ちますカネ？」
「そんなに目立たないから大丈夫だ。
それより靴は？ヒールなのか？」
「あっ・・・用意してもらってたのはヒールだったんデスけど
ちょうど荷物の中に用意してたのがあったから・・・・」
とドレスのすそをあげ靴を見せる
「なら安心だ」
「では行きますか？」
そう清良がいい会場のドアが開くが中は真っ暗
その中から音楽が流れ出す
ディズニー映画の『魔法にかけられて』のTrue Love's Kiss
その曲に合わせて歌っている声にびっくりする
「彩子」
「ホエ？彩子さん？」
俺の顔を見るのだえめ
この声は間違いない彩子だ
明かりがゆっくり灯る
音楽が終わると同時に照明が俺らに向けられた
「千秋！のだめ！おめでとう」
という峰の声と同時に
何かがはじける音と共に風船が舞った
「な・・・なんだこれ！！」
ビックリした俺を見て
嬉しそうに峰は
「千秋おまえさ、二人だけで向こうで式あげただろ？
俺らは寂しかったんだよ！R☆S出身の指揮者が俺らにお披露目もないなんて
だから、自分らで企画してやろって話になったわけ。
そしたらさ、色々スポンサーが出てきて最初は小さくレストランでするつもりがさ・・・・・・」
と言った
辺りを見渡すと
会場には何百人もの人がいた
R☆Sのメンバーはもちろん
三善の家の者
そして大川にいるはずののだめの家族
ジジーにビエラ先生、オクレール先生
ニナ、ターニャ、そしてジャンにユウコ・・・・・・松田さんまでだ
「これは俺らからの結婚祝いとお前の誕生日プレゼントだ」
「誕生日？」
「あっそうだ今日先輩の誕生日デスよ！
おめでとうございます」
「忘れてた」
「というわけでとりあえず二人とも舞台へ」
と言われのだめの手をとり壇上へ上がる
ポンポンとマイクを叩き峰が改めて話し出す
「えーー。本日は皆さん、千秋真一くんと恵さんの為にお集まりいただきありがとうございます。
ま、とりあえず千秋から結婚の報告や、挨拶そしてR☆Sの公演にかけての意気込みを話してもらいたいと思います」
そう言うとマイクを俺に渡してきた
「いきなり話せるかよ！！」
「お前だったら大丈夫だって」
とボソボソと揉めながらも俺はマイクを持ち話し出した
「え・・・・えっと皆さん。
今日は俺たちの為にこんなパーティーを開いてくれてありがとうございます。
２年前の夏R☆Sでオペラをやらせていただき
そしてまた今回R☆Sで指揮をさせていただくことになり日本へと戻ってまいりました。
今回は妻の恵も一緒に共演させてもらえることになりました。
恵とは昨年の６月に結婚をいたしましたがフランスでの式だけとなっていまして
皆さんにきちんとした形でご報告できなく大変申し訳ありませんでした。
この場でご報告させていただきます。
そしてもう一つご報告させていただきたいことがあります。
今恵のお腹の中には新しい命が芽生えておりまして、６月に出産予定です。
そして出産前の公演がこのR☆Sとなります。
素晴らしいものになるよう努めますのでどうぞよろしくお願いします」
頭をさげると拍手が起こった
頭をあげのだめにマイクを渡す
「えっと・・・のだめデス。
今日は本当にありがとうございマス。
今のだめは本当に幸せデス。
ピアノ頑張って弾きますので期待しててくだサイ。」
そう言いお礼をする。
少し涙目ののだめ
それを見て俺は改めてよい仲間と出会えたことに感謝した
そして乾杯のあと
数時間でその感謝の気持ちはなくなりそうになった
相変わらずの荒れっぷり・・・・・・・・・・・
さっきまでの雰囲気はなくなり
いつも通りの飲み会の風景
けど
俺にとってはすごくいい誕生日だ・・・・・・・・
END・・・・・・・・
報告2 HAPPY DAY③（番外編へ続く）
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